荒唐無稽なストーリーに乗せられて、200万もの絨毯を購入してしまった要因とはいったい何だったのか?

旅先ではもちろん、実生活においても騙された経験などなく、そんな事は自分には起るはずもないと思い込んでいたことに、まず油断があったと思います。
過去に経験してきた海外一人旅でも、さしたるトラブルに巻き込まれた事もなく、すりやひったくりの多いヨーロッパなどと違って、トルコは比較的安全というイメージがありました。
イスラム国家として、西洋の立地点としては微妙な立場にあるトルコですが、私達日本人にとっては「馴染みやすく懐の深い国」として近しい存在です。千年の都といわれるイスタンブールは、かつての栄華は失っても、その歴史の重層性の故に世界のどこにも存在しない独特の輝きを持って、世界中からの観光客を魅了し続けています。
ヨーロッパでは緊張と気合いがいるが、トルコではのんびり出来るだろうと、私は1週間の休暇をこの地に決めました。

詐欺師の手練手管に嵌まってしまった要因は、様々あると思いますが、次ぎの2点が大きいと考えています。
1.日本の詐欺の概念からはずれている
2.「外国人の話す日本語」から醸し出される、独特の雰囲気

FourSeasonsHotel-2
フォーシーズンズホテル

以前「有名ホテルの向かいという立地」でも書きましたが、Z---は「フォーシーズンズホテルホテル」の向かいに堂々と店を構えております。日本でいえば「帝国ホテル」の前で商売している様なもので、結婚詐欺、半監禁状態での購入強要などを行っている店が、一等地に居を構えるなど、日本人の感覚からはかけ離れております。
日本であれば、怪しげな商売をしている輩は転々と居を変え、定住などしないでしょう。Z---の立地、店構えは、それなりに信用の置ける商売をしてるのだろうとの認識を、日本人には抱かせます。

語学
ユooが私に話した同じ内容を、日本人が話せば・・・騙されなかったでしょう。
「外国人が話す日本語」の一種独特の世界というものがあるのではないでしょうか。日本国内でも、一生懸命日本語を話す外国人には、私達は耳を傾けます。「外国人に甘い」と言われればそれまでですが、「外国人の話す日本語」は、抑揚やリズム、発音の違いから、独特の空気というか、雰囲気を造ります。
一方で「外国人にとって、日本語は難しい言語」と、私達は思い込んでいる節があります。その日本語を努力して習得した外国人を特別視してしまいがちな傾向もあります。
流暢に話す彼等に、私達は「日本語、お上手ですね」と言ったりしますよね。

イスタンブールという異国を背景とし、ウoooやユooの巧みではあるが「イントネーションの違う日本語」で語られた嘘話は、実に迫真性があったものだと、今でも思い起こされます。