5日目午後
ピエールロティを下り、エジプシャンバザールへと寄りました。高校生バイトのファooも一緒です。入り口近くの香辛料の店で呼び止められ店に入りました。ハーブティやドライフルーツなどを物色する私に、カラスミをしきりにセールするお兄さん、「奥さんは日本人」というだけあって、日本語がぺらぺらでした。ふと思い立ってZ---の評判を聞いてみました。高校生ファooは日本語が分かりませんから横にいても平気です。
「Z---はどんな評判?」
その瞬間彼の顔にはっとした表情が浮かびました。間髪を入れず「絨毯買ったの?」と私を見つめます。その真剣な表情に返事がためらわれ「いいえ、まだよ」と返しましたが、気になります。「どんな評判なの?」と再び聞くと、「お店の評判は言わない事にしてるんだよ」と、はぐらかされました。
結局、購入は控え、名刺をもらってZ---へと戻りましたが、この時始めて私の心に小さな疑問が浮かびました。

帰国後、「現地での、Z---の悪評判ぶり」は、領事館の「注意喚起」(平成21年10月21日)も含め、各方面から聞こえてきましたが、こういう悪徳業者がごく一部である事を信じたい私としては、観光業界全体としての自浄作用はどうなっているのか、少々疑問に思ったりします。2010年欧州文化都市」に選ばれたイスタンブールが、文化芸術国家としてのイメージを、観光客への詐欺行為などで自ら損なわせるのは、残念だと思います。

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エジプシャンバザール

高校生バイト、ファooの話をもう少し聞いて下さい。
彼は、タクシーに乗る度に、料金を払おうとしました。まさか高校生に出させるわけにもいかないので、私が払ったりもしたのですが、その時の恐縮ぶりが今でも印象に残ります。案内のお礼に「本でも買ってね」と小額の日本円を渡した時も、とんでもないと遠慮したあげくようやく受け取りました。今思えば、普通の高校生ならもっと素直に、うれしそうな顔をすると思うのですが、彼はそうではなかった。どこまでも丁寧で案内人に徹し、すでにもう「大人」の雰囲気を身繕っていました。

Z---のに戻って、ユooには「名刺を貰ったって?」と聞かれました。ファooはそんな事まで報告するのかとびっくりしましたが、やはり「観光案内を装っての、カモの見張り」としての役割を、忠実に実行していたのでしょうね。