4日目午後
ユooは「僕、お金に困っていないよ。トルコで半分だけ払って。後の半分は日本でもいいよ」と言いました。私の迷う姿勢に相手も必死だったに違いありません。
夕方の再会を約束して、午後からは観光に出かけました。
オルタキョイまでトラムバイで移動、ジャーミーを見学したり露店をひやかしたり後、タクシーでドルマバチェフ宮殿へと向かいました。宮殿は、贅を尽くした調度品や絵が素晴らしく、広々とした庭園を吹き抜ける海風を感じながら、ボスポラス海峡やマルマラ海という地の利に恵まれたこの街の歴史に、改めて思いを馳せました。

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ドルマバチェフ宮殿

夕方Z---へと行きました。
ウoooユooによる説得の再開です。ウoooに入れ知恵されたのか、分割の話はどこへやらユooは全額の支払いを要求してきました。何とか断りたい私に、ウoooは「席をはずして。かこと二人で話すから」とユooを部屋から退かせ、「ユooは純粋、とても傷つきやすい。彼の交通事故の話、知ってるでしょ?」と20〜21才の時に起こした人身事故の話を持ち出しました。前日、腕に何筋もの傷を見つけた私に、ユooはこう説明していました。「レース中、並走した車が急ハンドルを切り、これを避けようと木に激突し、友達(同乗者)を死なせてしまった。僕も救急車が遅れていれば危なかった」
1年間刑務所に入り、今でも定期的に裁判所に通っている、相手の親に1000万の賠償金を支払わなければならない、ストレスで白髪がいっぱい・・・。今から思えばどこまでが本当やらと思いますが、バカな私はまたまた同情してしまいました。

が、車のガラスの破片で傷ついたと云ったユooに対し、ウoooは全然違う事を云いました。
「自分で切ったんだよ」

年長の友人は「誰にでも衝動買いはある。あなたのはそれに恋愛が付いただけ」と言いましたが、人は大きな買い物をする時どう決断するのでしょう。何とか整合性を見つけようと言い訳を探すものでしょうか。10日前に航空券(最後の残席)が取れ、あわただしく呼び寄せられる様に旅立った事に意味づけしようとしたり、仕事の結果を出した自分に褒美があってもいいと思ったり、いや、これだけの額をどこから捻出しようと現実に立ち返ったりと、いろいろな思い、抵抗が頭の中を行きつ戻りつしました。
最後にウoooはとどめを刺す様に、こう言いました。

「彼を傷つけないで。彼を信頼して、彼の言う通りにしてあげて」