ハマムは男女別ではなかった。
バスタオル1枚になった私は、サウナで他の男性客とも一緒になってしまった。
「何で女がいるの」と思われたかもしれない。
でもジムのスタッフは当たり前の様に私を案内したのだ。
後から考えてみれば、トルコは男社会、「スポーツジム」などに通うのは男性だけなのかもしれない。ジャロームハマムなどとは違うという認識を持つべきであった。

ハマムを出て「クムカプ」で魚料理を食べる。
私は睡眠不足と疲れでフラフラ、ほとんど食べる事が出来ないのに、ユooの食べっぷりはどうだろう。食事が終わる頃、タイミングよく迎えにきたZ---の車でホテルへと帰る。
途中で降りたユooは「明日はどこにいくの?」
「トプカプ宮殿」
「ホテルまで迎えに行くよ。10時ね」
別にひとりで行けると思ったけれど、この時以来、ボディガードよろしくユooはぴったり私に張り付いてきた。

情報遮断
Z---の悪い評判を私の耳に入れまいとする戦略。
「いろんな人とあまり話をしないでね」と焼きもちを焼くナイトの仮面をかぶりながら。

kumkapi-1
クムカプ 

翌朝、ホテルまで迎えにきたユooと一緒にトプカプへと向かい、私が宮殿に入ったのを見届けてユooは仕事へと行った。約束の3時間後、宮殿を出たところでユooは私を見つけ「1時間、芝生の上で寝てたからお尻が冷たくなったよ」とニッコリ笑った。
日本人の若い女の子二人連れがトプカプを背景に互いに写真を撮り合っているのを見ると、「一緒に撮ってあげましょう」とすかさずそれぞれのカメラで撮ってあげる。女の子達は大喜びだ。
その自然な親切さと笑顔は、始めて私に声をかけた時と同じもの。長年鍛え上げてきた商売用の話術とはいえ、屈託のない笑顔には、たいていの日本人が好感を持つと思う。

お昼からの私の予定(アジア側のユスキュダル)を確認すると、じゃあ夕方5時頃店に来てねと、ユooは去って行った。