「こんにちは」と話しかけてきた若い男の後ろを見ると、何と絨毯屋の軒下じゃない。
気が付けば、「ホテルは?」と勝手にスタコラついて来たおじさんもいない。
ははあ、こいつに電話して私を引き渡したんだ、要するに「ホテルおじさん」はここの絨毯屋の客引きね・・・。

「さっきの人から電話もらったの?」と私。
「全然違うよ。」と真面目に否定する彼。

考え過ぎかな、あんまり人を疑うのも良くないかな。
空港からのタクシーも、ドライバーを少々疑いつつメーターを確認し乗った私。事前情報では40リラ前後との事。スルタンアフメットに入ってホテルを見つけられずぐるぐる廻ったけれど、小額のお釣りも返そうとしたドライバーにこちらが反省、お釣りはチップとして渡しました。
旅先ではボラレまいと警戒するのが基本というものの、あまり色眼鏡で見ても「人との出会い」という旅の醍醐味を捨ててしまう事になりかねない。

などど考えがぐるぐる回っている間にも、彼は次々と日本語で話しかけてくる。
「海がきれいに見える所があるよ。セブンヒルズホテルってガイドブックにも出てる有名なホテルだけど、知らない?」

歩いて1分程のそのホテルの屋上テラスに上ると、眼前に広がる素晴らしい景色・・・。
FourSeasonsHotel-2

FourSeasonsHotel-3
フォーシーズンズホテル

気持ちのいい風が頬を吹き抜けます。
出発の前日まで仕事をし、当日パッケージに荷物を詰めてあわただしく機上しイスタンブールへと降り立った私に、まるでごほうびの様な爽やかな風。